旭山動物園のこだわり

旭山動物園の信念とこだわり

正門をくぐると、そこには緩やかに上って行く園内の様子が目の前に広がります。
旭山動物園のこだわり

その正門の入ってすぐの所に、とても印象に残るこんな手造り看板があります。
旭山動物園の信念

『あさひやまどうぶつえんのこだわり』
飼育員さんによる手書きで書かれたこの文字には、
揺ぎない信念と深い深いメッセージが伝わってきます。


『動物園で飼育展示されている
           野生動物のほとんどは動物園生まれ』


2010年4月時点で旭山動物園の全飼育動物130種類、
771個体のうち8割以上が動物園生まれで、なおかつ
ほか2割弱の野生由来のほとんどが人為的に傷つき、
保護され野生に返すことができなかった個体なんだとか。
それは他の動物園も同じで、東京上野動物園でも8割が
動物園生まれなんだそうです。

「狭いオリに閉じ込められてかわいそう!」「毎日人に見られてストレスだろうね?」
動物園でよく聞く会話ですが、旭山動物園ではそんな疑問にも次のようにこの看板にメッセージを書いています。

<看板より抜粋>
つまり動物園生まれの自然界を知らない野生動物が、ずっと慣れ親しんだ自分の生活環境を
ストレスと感じているでしょうか?彼らにとって自分の生まれた環境が最も安心して暮らせる場所です。
本来の生息地にいきなり放しても生きて行けません。
かといって、それぞれの種がもつ本質的な習性をなくすこともありません。
一方飼育係は動物たちの暮らしが豊かになるように日々努力しています。心も身体も健康で、
野生本来の活き活きとした動きを発揮できるよう、飼育環境の工夫をしています。
必ずしも本来の生息地の環境に近づけることが目的ではなく、その動物らしさを引き出すことが大切です。
<抜粋ここまで>

例えば肉食獣は獲物を狩るとき以外は寝て休んでいるのが自然の生態ですけど
動物園の肉食獣は「寝ているから、おもしろくない・・・」と言う人が多いんだとか。
でも旭山動物園では、そういう自然の生態を感動と一緒に感じる工夫がされています。
例えば寝ているヒョウの肉球やお腹、呼吸をしている様子を真下から見上げたことがありますか?
旭山動物園では頭上にいるユキヒョウとアムールヒョウを見上げて観察できます。
自然界のヒョウは樹上で獲物を待ち伏せをしたり、地上にいるライオンなどの外敵に襲われないようにしたり
獲った獲物を引きずり上げて食べたり、樹上で休むのが自然の生態なんだそうな。
そんな生態に合わせて造られた空中に檻がせり出した部分、そこがアムールヒョウのお気に入り。
そのアーチの上で展示中ほとんどの時間を過ごすのです。知らずに来たお客さんはどこにいるのかな?って
探して何気に上を見上げて・・・「うわっ!!!」って驚かれる方もいらっしゃいます。
旭山動物園のこだわり旭山動物園のこだわり
ここを見ただけでも、飼育員さん達が言う「その動物たちらしさを引き出す」という工夫が
感動と共にビシビシと伝わってきますね!!

「種」としての「らしさ」とは

先ほどの手造り看板には次のように書かれています。
『例え動物園生まれでも野生動物は「種」としての「らしさ」を保ち、
地球上からの絶滅を防ぐ為、生息地に戻す可能性を残して飼育することが重要』


つまり芸を教え込んで人間のように振舞わせることは決してせず、動物たちが心身ともに健康で
活き活きとしたその動物「種」本来の「らしさ」を引き出すように飼育員さん達は日々努力していくということ。
雪が積もる冬になると行われるペンギンの散歩。お客さんの目の前わずか数十センチの距離をペンギン達が
歩いていくのですけど、このペンギンの散歩も決して教えたわけでもなく、無理に歩かせている訳でもありません。
集団で歩きながら陸地から海まで食べ物を探しに行くというペンギン本来の習性を引き出した工夫なんです。
なので気分次第では散歩しないペンギンもいますし、毎日散歩が待ち遠しとばかりに歩くペンギンもいます。
このペンギンの散歩を見ても分かる通り、全てはその動物の「らしさ」を大切にしているんですね。
ペンギン散歩

旭山動物園だからこその行動展示

旭山動物園にはそんな動物たちの「らしさ」が溢れています!!!
行動展示
行動展示
行動展示
行動展示

まさに旭山動物園にはそんな野生動物の「可愛さ」「美しさ」「素晴らしさ」「尊さ」が溢れています。
旭山動物園に訪れた際には動物たちと共に、飼育員さん達のメッセージがつまった
手造り看板やパネルも隅々までご覧になって下さいね。
行動展示