桜

ブリーディングローン

ブリーディングローンとは
希少動物を繁殖させるために動物園間で行う、動物の受け渡しのこと。
動物園同士が相互に動物を貸し出したり、借り入れたりして種の保存事業を進めるんですね。

2010年1月28日、まさにこのブリーディングローンである
道内ホッキョクグマ飼育4園共同声明」が発表されました。
それは、旭川市にある旭山動物園と、札幌市にある円山動物園と、帯広市にあるおびひろ動物園と、
釧路市にある釧路市動物園が協力してホッキョクグマの繁殖を推進するというもの。

野生のホッキョクグマが激減している今、動物園の理念の一つでもある
「地球上のさまざまな動物の存続を守る(種の多様性維持)ため,希少動物を飼育下で積極的に繁殖させること」
この理念の元、北海道の4つの動物園が協力してホッキョクグマの繁殖に取り組むことになりました。
それがこの「道内ホッキョクグマ飼育4園共同声明」であります!

そして2010年2月9日、
札幌市の円山動物園からメスのホッキョクグマ「サツキ」が旭山動物園にやってきました。
サツキ
上の写真はサツキが旭山動物園にやってきて2週間ほど経った時の様子です。
旭山動物園には3頭のホッキョクグマがいます。メスの「コユキ」、メス「ルル」、オスの「イワン」。
つまり円山動物園からやってきた「サツキ」は「イワン」との繁殖を期待されやってきたのです。

サツキは本当に円山動物園で愛されているホッキョクグマ。それはこの寄せ書きを見れば分かります。
寄せ書き寄せ書き

旭山にやってきてまずは環境に慣れてもらう為に慎重に飼育作業が行われ、
旭山に来てから13日後の2月22日からは国内最年長ホッキョクグマであるメスの「コユキ」と同居しました。
サツキ
一定の距離を保ち、寝そべるコユキを見るサツキ。
サツキは旭山動物園の環境にも慣れ、すぐそのやんちゃぶりを発揮し放飼場の松の木をバキバキと破壊しました。
他にもポリタンクを放り投げて遊んだりとその豪快な姿で、旭山動物園でもファンを増やしています!

動物が引越しして移動するのは、私達が思っている以上に大変なことなんですね。
基本的には麻酔で眠らせ、動かないようにして移動するそうなのですが、動物に麻酔するのは非常に難しく
ひとつ間違えると死に直結するんだとか・・・なのでまさに「命がけ」なんですね。
万全の体制を整え、完璧にこなす飼育員さんや関係者の方には本当に深く頭を垂れるばかりです。

そして夏期開園準備で休園中の2010年4月24日、
いよいよプール側の飼育場でオスのイワンとサツキの同居が開始されました。
最初はお互いに警戒して追いかけられると逃げたりしていたそうですが、時間がたつとどちらも落ち着き、
お互いを意識してにおいを嗅いだり無事に同居が成功!飼育員さんのひとまずホッとした表情が目に浮かびます。
それからのイワンとサツキはもうもうラブラブ。新聞には「氷も溶かすほど熱い」って記事になるほど。
イワンとサツキ
片時も離れず、イワンとサツキは仲睦まじい様子を見せてくれ、
2010年5月6日、ついに交尾が確認されました!!!(このイワンとサツキの交尾の瞬間を逃さぬように、
数台のテレビカメラが一日中遠くから撮影してましたのでいずれテレビで放送されると思います。)
サツキとイワン

余談ですけど、発情期のホッキョクグマは非常にデリケートで
エサに興味を示さなくなったり、あまりプールにダイビングして泳いだりしなかったりするんだそうで
その為に、通常毎日行われているホッキョクグマのもぐもぐタイムもこの時期は不定期になります。

ホッキョクグマの出産シーズンは12月。無事に交尾を確認したイワンとサツキ。
さらには昨年に引き続き、イワンとルルの交尾も確認しているとのことですので
サツキもルルも無事に妊娠・出産して、元気な健康なホッキョクグマの赤ちゃんが誕生し
今回の共同プロジェクトが無事に成功してこれからも種の保存事業が推し進んでいくことを心から願っています。
ホッキョクグマ
2010年5月14日巨大プール側の様子、左がサツキ、右がイワンです。
ルルとコユキ
2010年5月14日ほっきょくぐま館シールズアイ側の様子。ルルとコユキです。
これからもますます目が離せないホッキョクグマ達。この先の様子も引き続きまとめていきます!
※日本最高齢のコユキは2010年7月24日に亡くなってしまいました。