ヤマメ・ヤマベ

ヤマベ・ヤマメ・山女魚

※2010年6月現在、あざらし館の「ヤマベ」は「ギンザケ」の展示に変更されています

ヤマベとは
標準和名で「ヤマメ」のことを北海道では「ヤマベ」と呼びます。
漢字で書くと「山女」とか「山女魚」などと書き、字のごとくとても美しい魚です。
北太平洋のアジア側だけにのみ住んでいるサケ科の魚。日本では北海道から九州まで広く生息しています。
体にくっきりと小判状のパールマークがあるのが特徴でずっと見ていても飽きない美しい魚です。

サケ科サケ亜科サケ属。この山女にはある特徴があるのです。
それは川で一生を終える個体と、海におりて数年後、産卵の為に川に戻ってくる個体がいるのです。
海に降りることなく、川で生涯を終えるのはそのほとんどがオス。ほとんどのメスは海に降りると聞きます。
なのでヤマベのメスはめったに見ることができません。私も一度だけしかヤマベのメスを見たことがありません。

降海個体サクラマスと残留個体ヤマベ

また、海に降りたヤマベは名前が変わり、「サクラマス」と呼ばれます。
サクラマスになるとパールマークは消え、顔つきも変わり、体も巨大化し色はギンギラ。
サケ科の魚特有の姿に変貌します。
そして産卵期には、まさに桜色の婚姻色になり、秋深まる頃、奥深き川の上流域で卵を産卵します。
産卵した個体はそこで生涯を終えるのですが、ここでまた驚くことがあるのです。
海に降りずに川に残った個体は産卵しても死なないのです。
つまり、海に降りてサクラマスとなったものは体も巨大になり(最大60センチほど)川へ戻ってきますが
産卵すると死んでしまう。一方、川に残ったヤマベは体も小さいまま(最大40センチほど)ですが
産卵しても5年ほど生き残る個体もいるのです。その個体は顔が少し鋭角で少しパールマークが薄くなり
体全体の色も黒味を増し、河川残留個体のそれと分かる風貌なのです。

禁漁期間

このヤマベ、釣り人にも人気の魚なのですが、北海道で産卵期は保護の為に禁漁期間が設定されています。
しかもその禁漁期間の時期は、北海道の北と南では違うのです。

オホーツク海側の地域は5月1日から6月30日までが禁漁。
日本海側の地域は4月1日から5月31日までが禁漁なのです。

それだけ同じ北海道でも地域によって天候や環境が違い、それに伴って魚の成育も時期が異なるのですね。

日本の北海道から九州まで広く生息していて身近な魚ですけど、意外と知らないヤマベのお話でしたでしょ?
そしてこのヤマベ、旭山動物園のあざらし館で飼育展示されているんです!
(2010年6月現在、あざらし館の「ヤマベ」は「ギンザケ」の展示に変更されています)
何故ここで飼育されているかというと、サクラマスもアザラシと密接に関係しているんです。
サケ、サクラマス、カラフトマス、北の海ではそのどれもがアザラシのエサになり
これらの魚は私達の食卓にも馴染み深い。つまり全ては密接に繋がっているんですね。


ヤマメ・ヤマベヤマメ・ヤマベ

ヤマメ・ヤマベヤマメ・ヤマベヤマメ・ヤマベ

鮭もサクラマスもヤマベもみんな知れば知るほど凄い魚たちです。



ヤマメ・ヤマベ

清里町「さくらの滝」

北海道清里町にある「さくらの滝」。平成14年に一般公募で命名されたこの滝では
産卵遡上のため高さ3.7m程の滝を越えようと懸命にジャンプを繰り返すサクラマスが見ることが出来ます。

ヤマメ・ヤマベ海へ降りたヤマベがサクラマスとなり、
産卵の為に川へ戻ってくる6月上旬から8月上旬にかけて見られる
まさに期間限定の光景。
必死に海で大きく成長し、川を登り、滝を超え
最上流部に辿りつくと産卵し子孫を残すサクラマス。
そんなサクラマスの産卵場所がダム建設などで破壊されてしまったりと
そんな場所も多いのが北海道の現状でもあります。
清里町「さくらの滝」のような豊かな自然が、この先もずっと守られるよう
願うと共に、何をすべきかをいつも考えさせられます。

サクラマスが川に戻ってきて産卵する場所がなくなれば、当然ヤマベもいなくなり川の生態系は変わり、
そして海の生態系も変わってしまう。そうなれば野生動物だけでなく、私達の「食」もまた変わってしまう・・・・
そうならない為にもこの豊かな自然を大切に大切に守っていきたいものです。
清里町公式サイト「さくらの滝」場所・注意事項